「父さん、犬を飼おうよ。かわいいよー。」
母が亡くなったあと、あまり犬の話はしなくなっていたのに、ある日突然
「子犬をゆずってくれることになったから飼おうよ。」
と、すでに飼う気満々になっている妻に言われました。
「ええーっ!」としか返答しなかった私の本心は、手間がかかることが増えるのはかなわないなぁ・・・という思いでした。
話を聞いてみると、勤め先の同僚の知人がブリーダーで、ポメラニアンの子犬を譲ってくれるということでした。
私は、飼ってもいいともダメとも言わなかったのに、妻は長女と
「父さんは了解してくれたから」などと、どんどん話を進めていきました。
2019年9月、譲ってもらう話があってから1ヵ月後に、生後4か月で引き取ることになりました。家族で名前をいろいろ考えてみましたが、妻がつけた「レン(れん)」に決めました。呼びやすいし悪くない名前だと思います。
私はレンに感謝しています・・・。レンが家にやってきてしばらく経つまで、私は6年間、原因不明の耳鳴りに悩まされていました。1週間に3日か4日くらいの割合で、キーンという不快な音が頭の中いっぱいに響いて、つらい思いをしていました。複数の耳鼻科で診てもらいましたが改善されませんでした。神戸まで通って鍼灸も試しました。わらをもつかむ思いで、けっこう高額なサプリメントを注文したこともあります。鬱になってしまい、心療内科にかかりました。寝付けないので睡眠薬を処方してもらい何年も服用しました。
絶望していたとき、レンが家にきました。レンが来る前、耳鳴りがひどいときはつらくて何も手につかず、こんな状態では犬の世話や遊び相手をするのは無理だなあと思っていました。ところが耳鳴りがしていても、レンと遊んでいるとあまり耳鳴りが気にならないことに気づきました。
信じられないことですが、何をやってもだめだったのに、その後、徐々に耳鳴りが改善してきたのです。動物と触れ合うことでストレスの緩和、精神的な落ち着きなどの癒し効果を目的とした「アニマルセラピー」というのがあるのは知っていましたが効果を実感しています。家族は笑うのですが、私はレンを「奇跡の犬」と呼んでいます。